鍛え抜いていますか?
お尻の奥の痛み(坐骨神経痛)を予防・解消するには次の三つのアプローチが必要です。
①「臀部の筋肉をマッサージする」⇒必読記事【ランニング後に、中殿筋と小殿筋をマッサージしよう!】
②「臀部の筋肉をストレッチし柔軟性を高める」
③「臀部の筋肉を鍛えて強くする」
今回から「臀部の筋肉をストレッチし柔軟性を高める」重要性について考察していきたいと思います。
しかしその前に先ずは「そもそも論」から…。
ランナーなら誰もが、長距離を走った後、身体がガチガチに固くなって、しゃがみ込むのにも苦労した経験があると思います。
筋肉をストレッチして柔軟性を維持向上させることは、ランナーに限らずあらゆる人々にとって大切なことです。
しかしそもそも「何故、筋肉の柔軟性が大切なのか?」について考えてみましょう。
目次
筋肉の柔軟性は、何故大切なのか?
筋肉の柔軟性が高いということは、よく縮み、よく伸びる=伸縮できるということ。
筋肉がしっかりと伸縮すると関節の可動範囲が広くなり、動きもよくなります。
逆に、筋肉が固いと関節の動きは悪くなります。
関節の動きは筋肉だけではなく、腱、靭帯、筋膜といった組織も影響します。
しかし自分で動かしてアプローチできるのは筋肉だけです。
筋肉をストレッチして柔軟性を高めることが、関節の動きを良くする近道です。
関節の可動範囲が広いと何が良いのか?
では、「関節の可動範囲が広いと何が良いのか?」について考えてみましょう。
効率よくパワーを発揮できる。
上の図では、黒色が固い関節、赤色が柔らかい関節の動きを表しています。
赤色の動きは黒色に比べて、関節が大きくしなっているのが一目瞭然です。
テニス、野球、バレーボールなどのスポーツに限らず、日常生活動作でも、身体がしなることで効率よくパワーを発揮することができます。(少ない動きで大きなパワーを発揮できます。)
制限なく快適に動ける。
関節の可動域が広ければ、それだけ動作の範囲も広くなります。
肩関節が柔らかければボールを遠くまで投げることができますし、股関節が柔らかければ、ハイキックもできます。(ハイキックが必要な人はあまりいないとは思いますが…)
動作が安定する。
片脚立ちの状態を続ける場合を考えてみましょう。
大きくグラついた時、関節が上手く動けばバランスを保つことができます。
関節が柔らかいと外乱(外から加わる力)に上手く対応できるため、動作の安定性が向上します。
関節のケガが少なくなる。
私達は幾つもの関節を同時に使って動作しています。
例えば床に落ちたモノを拾う時、股関節が固いと背骨を余計に曲げなければなりません。
動きが悪くなった関節をを他の関節が代償するため、他の関節の負担が増し、ケガをする危険性が高くなります。
血行が良くなる。
ふくらはぎは第二の心臓という言葉を聞いたことがあると思います。
足首を動かしてふくらはぎを収縮させると、膝から下に溜まった血液や体液を心臓へ送り返してくれるからです。
このように関節がよく動くと、筋肉が伸縮するので、血行がよくなります。
筋肉は柔らかいだけではダメ。筋力も必要。
筋肉の柔軟性が何故、大切なのかを完全理解できましたか?
しかしもう一つ、絶対に忘れてはならないモノがあります。
それが関節を動かす筋肉の力=筋力です。
関節を自在に動かせる可動性【モビリティー】も重要ですが、関節を保持する安定性【スタビリティー】も重要です。
可動性と安定性という相反する二つの要素を高めるためには、筋肉の柔軟性と筋力を高める必要があります。
筋肉の柔軟性は関節の可動性を高めますが、同時に、関節を安定性させるためには、筋肉の筋力が不可欠なのです。(筋力については別記事で解説します)
次回は股関節周囲の筋肉の柔軟性を高めるストレッチ&柔軟体操について考察します。
…to be continued(続く…)