美しくスリムな身体になるためには、食べた物がどのようにエネルギーとして使われるか、体脂肪として蓄積されるかを理解しなければなりません。
エネルギーになったり、体脂肪になったりする食べ物とは「糖質、脂質、タンパク質」の三大栄養素です。
今回は「糖質」について考察していきたいと思います。
目次
糖質と炭水化物について
あなたは炭水化物と糖質の違いについてご存知でしょうか?
栄養学では炭水化物とは「糖質+食物繊維」を意味しています。
炭水化物とは、体内で消化吸収できる「糖質」と、できない「食物繊維」の総称ということになります。(食物繊維については後日解説します。)
糖質は炭水化物のエネルギーの大部分であることを理解しましょう。
糖質は主にエネルギー源である
私達が摂取する栄養素には「炭水化物」「脂質」「タンパク質」「ビタミン」「ミネラル」があります。
このうち炭水化物(糖質)は主に身体を動かすエネルギーになります。(使われなかった(食べ過ぎた)糖質は当然、体脂肪になって身体中に溜まっていきます。)
糖質の種類
糖質は「単糖類」「少糖類(二糖類)」「多糖類」に分けられます。
人間が体内に吸収することができるのは主に単糖類だけ。
ですから少糖類、多糖類は単糖類まで消化分解される必要があります。(注:当ブログで混乱を避けるため、単糖類をグルコース(ブドウ糖)とします。)
グルコースは小腸で吸収されてまずは肝臓に運ばれます。
そして肝臓から血管を通って全身へ送られ、身体中の細胞でエネルギーとして使われます。
では、血液に流れ込んだグルコースがどのようにエネルギーに変換(代謝)されるのか考察してみましょう。
糖質はどのようにエネルギーとなるのか?
糖質の特徴は、短時間で胃を通過し素早く吸収されることです。
速やかに血液に流れ込み、全身に送られて即座に細胞でエネルギーとして活用されます。
糖尿病患者さんが低血糖に陥ってボーっとなった場合、飴やジュースを飲むと速やかに回復するのはこの為です。
また糖質は酸素があっても無くてもエネルギーとなります。(もう一つのエネルギー源である脂質は酸素が無ければエネルギーになりません。)
反応性が早く瞬発的な力を発揮する源であり、筋トレのような無酸素運動では、息を止めて一気に爆発的な力を発揮します。
酸素無しでグルコースがエネルギーになる過程が「解糖系」です。
余った糖質は脂肪になる
即効性エネルギーとして重要な糖質ですが、食べ過ぎた場合はどうなるでしょうか?
糖質はエネルギーとして使われる以外に、肝臓や筋肉にグリコーゲンという形で蓄えられます。
しかし肝臓や筋肉がグリコーゲンの貯蔵量には限度があります。(肝臓に約100g、筋肉に約300g)
糖質を過剰に摂取すると、余ったグルコースは体脂肪になって身体中に溜まります。
脂質(油)を食べ過ぎると体脂肪(中性脂肪)が増えますが、糖質も食べ過ぎると体脂肪になります。
あなたは「カーボローディング」という言葉を聞いたことがあると思います。
炭水化物(カーボ)を身体に充填(ローディング)するという考え方です。
トライアスロンなどの大会前夜に、大量の炭水化物を摂取してグリコーゲンを身体に蓄えようとすることです。
しかしグリコーゲンの貯蔵量はどんなに鍛え抜かれた身体でも限度があります。
即効性のエネルギーである糖質は、ため込むのではなく、試合中に少量ずつ補給する方が有効なのです。
ところでどうして糖質は大量に身体にため込むことができないのでしょうか?
どうして、わざわざ体脂肪にして身体にため込むのでしょうか?
大量のグルコースが血液中あれば、即効性エネルギーとして使えるはずなのに…。
この疑問を解くカギが「糖尿病」にあります。
糖質の過剰摂取は糖尿病を引き起こし、身体に様々な病気を引き起こします。
次回は糖質と糖尿病の関係について考察したいと思います。