ランニングやウォーキングをしていると、膝の内側から後ろにかけて痛みがある場合、鵞足炎(がそくえん)かもしれません。
今回は、鵞足炎について、その原因、ケア方法、予防方法について考えます。
目次
鵞足とは?
鵞足とは、膝の内側に「縫工筋:ほうこうきん」「薄筋:はっきん」「半腱様筋:はんけんようきん」の腱が集中的に付着している部分です。
その形状がガチョウの足に似ていることから「鵞足」と呼ばれています。
この部分に過剰な負担がかかったり、腱どうしが擦れ合ったりすることで炎症が起こります。
トゥーアウト(つま先が外向き=がに股)・ニーイン(膝が内側へはいる=X脚)になると、膝の内側が伸ばされて緊張し、炎症が起きやすくなります。
鵞足炎の解決法
ランニング中に痛みが出てきたら、早急にトレーニングを終了しましょう。
痛みを我慢して走ると、炎症がひどくなり、症状も悪化します。
痛む箇所は炎症により熱を帯びていますから、アイシングで冷やしましょう。
痛み止め(抗炎症剤)の服用も有効です。
鵞足炎の予防法
つま先の向きを意識して走る。
鵞足にかかる負担を減らすために、練習では時々トゥーイン(トゥーアウトの逆)を意識して走りましょう。
しかしガニ股(トゥーアウト)を極端に修正してウチ股(トゥーイン)ばかりで走るのもよくありません。
今まで使ってこなかった筋肉に負担がかかります。
アライメント(荷重ライン)も変化してしまうので、腰、足関節、股関節にも影響が出る場合があります
ストレッチで柔軟性を高める。
鵞足の筋肉が疲労して硬くなると腱にかかる負担が大きくなります。筋肉が硬くなると腱の負担が増える理由はコチラから⇒必読記事【ランナーのための、膝関節のケア方法 第2回目】
ランニング前後に、5分でもよいので一通りのストレッチをして筋肉をほぐすようにしましょう。
鵞足の筋肉にできた筋硬結をほぐす
鵞足の筋肉【縫工筋・半腱様筋・薄筋】を自分で押圧マッサージするのも大切です。
筋肉は使い過ぎたり、冷えたりすると筋硬結ができやすくなります。
筋肉にできる筋硬結は、筋線維が慢性的に絡まった状態です。
そのため血液や体液の循環が悪化します。
うまく伸び縮みできないので、腱に慢性的な負担がかかります。
筋硬結(筋肉にできるコリ)に関する必読記事はコチラ⇒【筋肉のコリを解剖生理学的に理解しよう!】
ランニング練習した後などは、こまめに筋肉に沿って押さえていき、キャッと痛むポイントを自分で見つけてみましょう。
筋硬結は「5秒ほど皮膚に対して垂直に押し、パッと離す」押圧法でほぐすことが大切です。
10回ほどを1日に数回行いましょう。