こんにちは。理学療法士の石部伸之です。
今回は、肩こり、首こりの原因筋の一つ、僧帽筋のエクササイズ(ストレッチ&トレーニング)について解説したいと思います。
目次
僧帽筋は肩甲骨を動かす
僧帽筋は背中の上部にある筋肉で、後頭部~両肩甲骨~背骨を結んでいます。
僧帽筋が収縮すると「首を後ろに反らせる」「肩甲骨を動かす」ことができます。
「肩甲骨はがし」「肩甲骨ストレッチ」などが流行していますが、これは肩甲骨をしっかりと動かすことで、コリ固まった僧帽筋をストレッチできるからです。
肩甲骨の動きを完全理解!
肩甲骨には6つの動きがあります。
挙上(きょじょう)、下制(かせい)、外転(がいてん)、内転(ないてん)、上方回旋(じょうほうかいせん)、下方回旋(かほうかいせん)です。
しかし実際の動作では、各動作が混合した複雑な動きとなります。
挙上は肩をすくめる動きです。
下制は肩すくめた状態から肩を引き下げる動きです。
上方回旋は腕を上げる時に肩甲骨が回転しながら外に開く動きです。
下方回旋は腕上げた状態から元の位置に戻る時の動きです。
外転は左右の肩甲骨が横に広がる動きです。
内転は胸を張るときに肩甲骨同士が近づく動きです。
僧帽筋は常に酷使されている
上を向く動作、例えば天井の電球を交換するときのように首を反らすと、僧帽筋は収縮します。
しかし一日中上を向いて作業することはほとんどありません。
現代社会ではむしろ、下を向いて作業することのほうが、はるかに多いはずです。
パソコン作業、スマホを見る姿勢というのは、実は上を向く姿勢よりも、はるかに僧帽筋には大きな負担をかけます。
下を向いて何か作業する時、僧帽筋は重たい頭を支えながら、同時に腕と肩甲骨を動かさなければなりません。
筋肉にとってもっとも大きな負担となるのが、伸ばされた状態で筋力を発揮する「遠心性収縮」という状態です。
スマホを覗きこむ姿勢や猫背では、僧帽筋は遠心性収縮の状態を強いられるため、あっと言う間に疲労し、コリ固まってしまいます。
さらに悪いことに、日常生活のほとんどの動作が、下を向いて行うものです。
そのため、僧帽筋は常に酷使されているのです。
僧帽筋の柔軟性を高めるメリットとは?
スマホを覗き込む姿勢、猫背は僧帽筋をコリ固まらせるだけでなく、外見的にも「歳をとった」「貧相な」印象をあたえてしまいます。
さらに、丸まったままコリ固まった僧帽筋を放置しておくと、胸の部分が縮むため、バストが垂れ下がる可能性もあります。
僧帽筋を収縮させて強化し、同時に血行を促進するストレッチをすることで、肩こり、首こりの解消だけでなく、姿勢も改善されます。
僧帽筋の超効果的ストレッチ法(3種類)
今回は器具を使用せずに行う、3種類の僧帽筋のストレッチ&トレーニングを紹介しています。
たった3種類だけですが、僧帽筋だけでなく、肩甲骨&肩関節の動きも改善できるエクササイズです。
ポイントは「最大限収縮させて、最大限脱力する」ことです。
筋肉は最大限に収縮させるた後に脱力すると、緊張が解けて緩みます。
動画ではロードバイク練習をした後のストレッチ動画です。
ロードバイクでは、長時間前傾姿勢を保ち、首を反らして前方を見続けるため、僧帽筋がコリ固まってしまいます。
動画のようなストレッチを怠ると、筋肉が慢性的に固くなり、肩こり、首こりが酷くなるので注意しましょう!