こんにちは。理学療法士の石部伸之です。
肩こり、首こりを引き起こす筋肉の一つに「僧帽筋(そうぼうきん)」があります。
今回は僧帽筋という筋肉の基礎を完全理解していきましょう!
目次
僧帽筋(そうぼうきん)とは?
僧帽筋は、背中の上部を覆う大きな筋肉で、皮膚のすぐ下(最も表層)にあります。
【後頭部…左右の肩甲骨…背骨】を結ぶ菱形の形をしています。
僧帽筋の働き
僧帽筋は、上部、中部、下部に分けることができ、それぞれが違った役割を担っています。
僧帽筋上部が収縮すると、肩をすくめる動作、首を反らす動作となります。
僧帽筋中部が収縮すると、胸をはる動作で、左右の肩甲骨が引き寄せられます。
僧帽筋下部が収縮すると、肩甲骨が下に引き寄せられ、背中が反る動作となります。
身体の中で最もコリやすい筋肉
僧帽筋は身体の中で最もコリやすい筋肉の一つです。
僧帽筋上部は頭部の動きをコントロールしているため、下を向いても、上を向いても常に緊張しています。
特に猫背は、僧帽筋上部の緊張を高めます。
顎をせり出してPC画面を覗き込むような姿勢で、キーボードを叩くと、肩がだんだんとすくんでくる場合があります。
この状態では、肩甲骨の動きをコントロールする僧帽筋中部の緊張も高まるため、僧帽筋は簡単にコリ固まってしまいます。
また、僧帽筋上部は、顔にある表情筋や頭皮と繋がっています。
そのため僧帽筋が緊張してコリ固まると、頭皮や引っ張られるようになるため、頭痛が引き起こされたり、眼が疲れたりしてきます。
正しい姿勢を心がけよう!
頭を脊骨の真上にもってくることで、僧帽筋の緊張を軽減することができます。
椅子に座ってPCを操作する場合は、顎を引いて胸を張り、両肩の力を抜いて肩甲骨を落とすように心がけてください。
また可能ならば、日中に一度は横になって寝ることも大切です。
横になって寝ると、重力からも、頭の重さからも解放されるため、僧帽筋の緊張は和らぎます。
僧帽筋上部をマッサージする方法
僧帽筋上部には手が届くので、自分でしっかりとマッサージすることができます。
できるだけ肩の力を抜き、反対の手を首の前から回して、僧帽筋の上部を抑えるようにマッサージしましょう。
僧帽筋中部と下部をマッサージする方法
僧帽筋中部、僧帽筋下部は、自分の手でマッサージすることは簡単ではありません。
専用の器具を使えば、わざわざ整体や治療院へ行かなくても、自分で簡単に僧帽筋をマッサージできます。
最大のデメリットは、この器具は常に持ち歩くには大きすぎ、目立ってしまうことです。
コリは、それを感じた瞬間にマッサージしてほぐすことが大切です。
仕事中や授業中に、この器具を使ってマッサージしていたら、怒られますから…。
僧帽筋を簡単に鍛える方法 その1
僧帽筋をマッサージして、コリをほぐすことは大切です。
同時に、コリのできにくい強い僧帽筋に鍛え上げることも重要です。
僧帽筋は比較的簡単に鍛えることができます。
ダンベル・シュラッグというエクササイズは、ダンベルを手に持って肩をすくめることで、僧帽筋上部を鍛えることができます。
次回は僧帽筋のケア方法として、マッサージ法、ストレッチ法、トレーニング法についてもう少し深く掘り下げたいと思います!