糖質・脂質・タンパク質は身体に不可欠な三大栄養素で、大切なエネルギー源でもあります。
しかしエネルギーとして使われなかった分は体脂肪として身体に蓄積します。
過剰に摂取すると様々な障害や病気を引き起こす原因にもなります。
今回は糖質を過剰に摂取すると、身体にどのような悪影響が生じるかを考察してみましょう。
血糖値について
摂取した糖質は消化分解されて最終的にグルコースとなります。
グルコースは血液に溶けて体中の細胞へエネルギーとして供給され、筋トレ等の無酸素運動の主なエネルギー源となります。
グルコースは血液中にいくらでも溶けるわけではありません。
健康な人の場合、血液中のグルコース濃度は約80~100mg/dl の狭い範囲の正常値に保たれています。
これが血糖値と呼ばれるものですね。
血液中のグルコースは非常に大切なエネルギー源です。
しかしその反面、濃度が高くなりすぎると身体にとって非常に有害となる「糖化反応」を引き起こします。
糖化反応は、微小な血管に障害を与えるなど身体に様々な害を及ぼします。
そのため上昇した血糖値はインスリンというホルモンによって下げられるのです。
インスリンの働きを完全理解
インスリンというホルモンは膵臓のβ細胞から分泌されます。
インスリンは血液中のグルコースを筋肉細胞や脂肪細胞に取り込ませて血糖値を下げます。
血液中のグルコースはGLUTという物質によって各細胞内に取り込まれていきます。
(GLUT=グルット:グルコース輸送担体:Glucose Transporter)
GLUTには様々な種類がありますが、重要なのは GLUT2とGLUT4です。
GLUT2は常に細胞膜にあり、血液中のグルコース濃度が高くなればいつでもグルコースを細胞内に取り込みます。
GLTU4は通常は細胞内にあります。
しかしインスリンの刺激によって細胞膜まで移動してきて、血液中のグルコースを取り込みます。
つまりインスリンは、GLUT4を刺激して細胞内に血液中のグルコースを取り込ませる働きを持っています。
脂肪細胞のGLUT4によって取り込まれた血液中グルコースは、脂肪細胞内で中性脂肪になるという訳ですね。
このためインスリンは別名「肥満ホルモン」と呼ばれることがあります。
「インスリンの刺激によってグルコースを取り込めるようになる」ことを「インスリン感受性」と云います。
この「インスリン感受性」が鈍った状態が糖尿病です。
あなたも一度は「糖尿病」「高血糖」「低血糖」といった言葉を聞いたことがあるはずです。
インスリン感受性が低下して、血液中のグルコースを上手く処理できなくなる病気が糖尿病です。
糖尿病は糖化反応をはじめ、身体に様々な悪影響を及ぼします。
次回はこの恐ろしい糖尿病について考察したいと思います。
…to be continued(続く…)