筋肉を大きく発達させるための大原則【オーバーロードの原則(過負荷の原則)】について完全理解しましょう!
目次
オーバーロードの原則=過負荷の原則
筋肉を大きく発達させるためには、今の筋力の限界(最大筋力)を超えた負荷(過負荷)をかける必要がある」という原則です。
筋肉は最大筋力を超えた負荷がかかると、次に同じような負荷がかかった時に、楽に対応できるように、強く大きくなろうと発達します。
自らの限界を超えた危機的状況に陥って初めて筋肉は大きく成長するのです。
筋力は筋肉の大きさに比例します。つまり大きな筋力を発揮するためには大きな筋肉が必要となります。
そのため筋力の限界(最大筋力)が向上すれば、筋肉は自然と大きくなります。
毎回、同じ負荷ばかりかけていると、筋肉はその負荷に慣れて、それ以上は発達しなくなります。
これは筋肉に限ったことではなく、人生そのものにも当てはまりますね。
毎回同じ負荷ばかりで平和ボケしてしまうと、人間も筋肉も成長しないというわけです。
どのようにして筋力の限界(最大筋力)を超えた負荷をかけるか?
筋力の限界を超えた負荷をかける方法は二つあります。
・レップ数・セット数の回数を増やす方法
例えば、70kgのベンチプレスを5レップ(5回)挙げれるのなら、その回数を7レップ、8レップと、一レップでも多く挙げることを目指す方法です。
・ウェイト(重量)を増やして行く方法
例えば「ベンチプレス:70kg×5レップ」できるのなら、72.5kg×5レップ、75kg×5レップと、ウェイトを増やしていきます。
筋肉を大きく発達させたいなら、持ち挙げるウェイトを増やせ!
筋肉を大きく発達させるためには、レップ数を増やすのではなく、ウェイトを増やすようにしなければなりません。
例えば「ベンチプレス:70kg×5レップ」できるなら、10~12レップまでとし、それ以上増やすのはオススメできません。
何故なら、レップ数が増えると「最大筋力ではなく、筋持久力が向上する」からです。
筋肉を大きくするためには、筋持久力の限界ではなく、筋力の限界(最大筋力)を高めるべきなのです。
レップ数が多いと、セットの時間も長くなり、最大筋力を発揮できるレップ数も少なくなるので、最大筋力は高まりません。
ウェイトを持ち挙げることだけにこだわってはならない
オーバーロードの原則に従うと、理論的には「持ち挙げるウェイトをどんどんと増やしていかなければならない」と思うかもしれません。
最終的にはとんでもないウェイトを持ち挙げなければ、筋肉は大きくならないのではないかと。
しかしこれは持ち挙げるウェイトに着目した考え方です。
着目すべきは、大きくしたい特定の筋肉(ターゲットの筋肉)が最大筋力を発揮することなのです。
実は、ただ単に重たいウェイトを持ち挙げたからと言って、ターゲットの筋肉が最大筋力を発揮しているとは限りません。
持ち挙げるウェイトが重たければ重たいほど効果があるというわけではないのです。
ここは非常に重要なポイントなので完全理解できるよう詳しく解説します。
筋力の協調性とは?
人間はモノを持ち挙げる時、可能な限り色々な筋肉や関節を総動員します。
その方が楽に、安全にモノを持ち挙げることができるからです。
これは極めて合理的なことですし、人間としてごく自然な動きです。
そのため重たいウェイトを持ち挙げようとすると、様々な筋肉が総動員されてしまい、ターゲットの筋肉が筋力を発揮するのを補助してしまいます。
ですから、ターゲットの筋肉を大きくしたければ、その筋肉だけが筋力を発揮できるように、できるだけ他の筋肉が関与するのを排除しなければなりません。
この考えが理解できていないと、ウェイトを持ち挙げることだけにこだわるようになってしまいます。
重要なのは、ターゲットの筋肉が最大筋力を発揮できることなのです。
厳格なフォームでターゲットの筋肉を隔離(アイソレート)する
できるだけ他の筋肉を関与させず、ターゲットの筋肉だけに最大筋力を発揮させるにはどうすればよいのでしょうか?
それは、ターゲットの筋肉に最大の負荷がかかるフォームを理解し、そのフォームで厳密にトレーニングする必要があります。
上腕二頭筋(力こぶの筋肉)を鍛えるダンベルカールを例に説明します。
高重量でダンベルカールしようとすると、上の写真のように色々な筋肉を使ってダンベルを挙げようとします。
色々な筋肉が働いているので、重たいダンベルを挙げることはできます。
しかし上腕二頭筋は最大筋力を発揮できていません。
上腕二頭筋だけを隔離(アイソレート)するには上の写真のように「肩を引き下げ、肘を少し前に出し、体幹と手首は固定」してカールしなければなりません。
動作に関与する筋肉を少なくして、厳密なフォームで筋トレすると、軽いウェイトでもターゲットの筋肉の最大筋力を発揮させることができます。
このように、できるだけターゲットの筋肉だけでウェイトを挙げるフォームを習得しましょう。
次回は、筋トレのフォームで注意すべきその他のポイントについて解説します。