「肩がこる」「首がこる」「筋肉がこって仕方ない」等々…
多くの人が「こり」に悩まされています
しかしそもそも「こり」とは筋肉がどんな状態に陥っているのか理解できている人は少ないのではないでしょうか?
今回は「筋肉がこる」ということを解剖生理学的に解説したいと思います
筋肉の滑走説を理解しよう!
皆さんは筋肉がどのように伸び縮みしているかご存知でしょうか?
私達の身体は筋肉が伸縮して関節を動かすことで、身体を動かすことができます
この時、筋肉はゴムのように「ビヨ~ン」と伸びるわけではありません
筋肉は、最小単位である筋原線維がお互いの間に滑り込んだり、滑り出たりすることで、伸びたり縮んだりします
図1:普通の筋原線維の状態
図2:筋原線維が互いのすき間に滑り込んで全体が短くなった(収縮した)状態
図3:筋原線維が互いのすき間から滑れ出て全体が長くなった(伸張した)状態
筋原線維が互いのすき間を滑走することから、「筋肉の滑走説」と呼ばれています
「筋肉のこり」とは「筋原繊維が絡まってほぐれない状態」
筋肉の最小単位である、極小の筋原線維が、お互いに上手く滑走できていれば問題ありません
ところが時として筋原線維が絡まってしまう場合があります
図4:筋原線維の一部が絡まった状態
滑り込んだり、滑り出たりを、延々と繰り返すと筋原線維は絡まりやすくなります
つまり長時間、同じ動作を延々と繰り返すマラソン、ウォーキング、スイミング、ロードバイクなどの運動で筋原線維は絡まりやすくなります
筋原線維の絡まる原因はその他にも考えられます
・筋原線維の滑走に必要なミネラルが不足した場合
・十分な酸素や栄養が筋肉に供給されない場合
・打撲などの物理的な衝撃による場合
筋原線維が絡まると、その周囲の細胞は圧迫され続け、血行は極端に悪化します
糸が絡まって団子状態になった場合、その場所の糸はギュッと締まって固くほぐれなくなるのと同じですね
血行が悪化するとシビレがでるのは、例えば長時間正座して、足の筋肉、血管、神経が圧迫されてシビレのと同じです
筋肉がこると、必ずどこか一点、小さな点がコリコリと固く、押さえると焼けるように痛い点があります
基本的にはこれが「筋肉のこり」の正体と考えてよいでしょう
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