「しゃがみ込んで草抜きを頑張ったら腰が痛くなった」
「腰が痛くなった後、太ももに痛みやシビレが出てきた」
この記事はそんな方へ向けて書いています
キーワード:草抜きの姿勢、ぎっくり腰、腰椎ヘルニア、脚(太もも、膝、ふくらはぎ)の痛みとシビレ
目次
- 「しゃがみ込む」姿勢はこんなに悪い
- 癒着しやすい脚の付け根の筋肉とは?
- 脚の筋肉を理解しよう
- 自分でできる治療法
- 大切なのは予防すること
こんにちは、理学療法士の石部伸之です
前回に引き続き、「しゃがみ込む」姿勢が足腰にどのような悪影響を及ぼすかを考察してみたいと思います
前回では、「しゃがみ込む」姿勢が「足腰の血行を極端に悪化させる」「足腰の筋肉を酷使する」「腰椎のヘルニアを引き起こす危険性がある」ことを考察しました
今回は②「しゃがみ込む」姿勢で、腰椎~骨盤~脚の筋肉がいかにして硬直し、凝り固まってしまうかを考察してみましょう
目次
あなたの「しゃがみ込む」姿勢はどのタイプ?
「しゃがみ込む」姿勢にも何種類かあります
あなたはどのように「しゃがみ込んで」作業しているか考えてみてください
両足の裏全体が地面についている
いわゆる「うんこ座り」ですね
楽なしゃがみ込み姿勢ですが、腰が思いっきり曲がっているので腰椎ヘルニアを悪化させるリスクがあります
踵を上げた状態
いわゆる「蹲踞:そんきょ」という姿勢です
足の指の付け根でバランスをとりながらしゃがみ込むので、膝から下の筋肉が酷使されます
片方の足を前に出した状態
草抜きをする時のように、しゃがみ込んだまま移動する時はこの姿勢をとることが多いようです
しゃがみ込んだまま動くと、脚の付け根の筋肉が短縮するよ!
腰椎~骨盤~大腿にかけては、大きくて強い筋肉が何層にも重なっています
これらの筋肉は脚を動かしたり、姿勢を保ったりするために収縮します
ところが長時間、しゃがみ込み続けると「鼠経部:そけいぶ」=足の付け根の筋肉が縮んだままとなり、短縮して硬直してしまいます
特に危険なのが、しゃがみ込んだ状態から、移動する時です
しゃがみ込んだ姿勢で既に鼠経部の筋肉は収縮しています
その姿勢のまま移動するということは、既に収縮している筋肉をさらに収縮させて太ももを持ち上げなければなりません
この時、筋肉が「ビシっ」と引き攣り、凝り固まってしまいます
既に縮んでいる筋肉を、さらに縮めることほど、筋肉にとって負担となる動きはありません
伸びた筋肉を縮めるのと違い、既に縮んだ筋肉をさらに縮める動きは、筋肉を硬直させてしまう危険な動きであるということを忘れないでください!
腸腰筋が短縮すると腰痛になるよ!
腰椎から大腿に伸びている筋肉が「腸腰筋:ちょうようきん」です
この腸腰筋は、太ももを引き上げる時に働く筋肉で、人体の中でもかなり大きくて強い筋肉です
腸腰筋がどのように腰椎と大腿骨を繋げているかを観察してください
もし腸腰筋が固く拘縮してしまうと、歩いた時に腰椎が前へ強く引っ張られてしまいます
脚を動かすという動作は非常に大きな力を生み出すため、腰椎にはかなりの負担がかかってしまいます
腸腰筋の短縮や硬直は、腰椎に大きな負担がかかるということを理解してください!
手軽にできる腸腰筋ストレッチ
次回は腸腰筋以外の脚の筋肉について考察したいと思います
…to be continued(続く…)