平成30年4月22日 倉敷北部全山縦走大会(距離18㎞、獲得標高880m)に参加してきました。

この大会は、舗装された道路を歩く箇所はほとんどなく、コース全般にわたって未舗装の山道を歩きます。
今回の大会で私が履いたシューズは New Balance MT410(2012年モデル)。

本格的なハイキングシューズではなく、普段でも気軽に履けるシューズ。
3月18日に開催された「吉備路の山全山縦走大会 35㎞」では、ランニングシューズを履いて参加して痛い目に逢いました。➡必読記事【第4回 吉備路の山全山縦走大会 シューズについて】
ニューバランスMT410を履くのは2016年3月の「第2回 吉備路の山全山縦走大会」以来2年振り。
久しぶりに履いたにもかかわらず、極めて快適に18㎞を歩き、880メートルを上り下りできました。
そこで今回は、倉敷北部全山縦走大会のような低山ハイク的な大会にはどんな登山用シューズが適しているのか考察してみました。
目次
ローカット、ミッドカット、ハイカット ?

倉敷北部全山縦走大会 では、ミッドカットのシューズを履いている人が多かったですね。
登山用シューズにもたくさんの種類がありますが、おおまかには ローカット、ミッドカット、ハイカットの3種類に分けることができます。
それぞれに特徴やメリット、デメリットがあります。
ローカット シューズ
シューズの高さがくるぶし辺りまであるもの。
私が履いた New Balance MT410 はローカットシューズとなります。
ランニングシューズ、スニーカーと違って、ソールがしっかりしており、ぬかるみでも滑りにくい形状です。
足首が自由に動くので普通のシューズを履いている感覚で山道を歩けます。
ただ、上り下りを繰り返す登山道では、砂利や小石が靴の中に入ってしまうことがあります。
ミッドカット シューズ
シューズの高さが足首を覆っているタイプのうち、低めのものがミッドカットです。
足首を覆っているので、足をひねりにくく、凸凹道や登山道でも、安定感がありますね。

ちなみに私も キーンタージ―Ⅱミッド(Keen Targhee Ⅱ」というミッドカットシューズを持っています。
ただ、脱ぎ履きがチョッと面倒で、暑苦しいので倉敷北部全山縦走大会では履きませんでした。(イナバ物置に保管しています。)
ハイカット シューズ
シューズの高さが足首のくるぶしをしっかりと覆っているタイプがハイカットです。
重装備を背負い、何日もかけてアルプスを縦走するといった、本格的な登山で使用されます。
足首をしっかりホールドしてくれるので、安定して歩くことができます。
あらゆる自然状況(雨、雪、岩場、ぬかるみ等)でも使用でき、防水性、耐久性にも優れています。

ちなみに私も キーンオレゴンPCT(Keen Oregon PCT)というハイカットシューズを持っています。
PCTとは「パシフィック・クレスト・トレイル」の略で、北米にある三大長距離遊歩道の一つです。
何日もかけてPCTを歩き倒すために作られたシューズなので、非常に頑健で文字通り、あらゆる状況下で履いても快適です。
ただ、いかんせん重たく、軽快に動くというわけにはいきませんね。(普段履きすることができず、イナバ物置に保管しています。)
ミッドカット、ハイカットはケガし難いというが本当か?
ローカットに比べ、ミッドカット、ハイカットは、足首の安定性があります。
そのため凸凹道を歩いても足首を大きく捻ることがなく、捻挫などのケガをしにくいと云われています。
しかし足首が安定しているということは、足首の動きが制限されていることを意味します。
足首の動きが制限されると、膝、股関節、腰など、他の関節の負担が増えてしまいます。
関節の動きを制限すると、他の関節の負担が増える
私達は動く時、一つの関節だけを動かすような単純な動作はほとんどしません。
複数の関節を協調して動かすことで「立つ」「座る」といった動作から、 体操選手がするような複雑な動作までが可能となります。
様々な関節が上手く協調して動くと、一つ一つの関節にかかる負担は減ります。
ところが、ある関節の動きが制限されてしまうと、他の関節がその分だけ余計に動くことになります。
その結果、他の関節の負担は増え、疲労やケガの危険性が高まります。
片脚で段差を上がる時の動作でこのことを考察してみましょう。

左の絵は、足首の動きに制限がなく、よく動かせる状態です。
右の絵は、足首の動きが制限されて、あまり曲げることができない状態です。
実際に足首を曲げずに階段を上ってみましょう。
膝、股関節、臀部に大きな負担がかかることが体感できるはずです。
ミッドカット、ハイカットは足首の動きを制限する
ミッドカット、ハイカットのシューズを履くと、足首の動きが制限され、足首にかかる負担が減ります。
しかし足首の負担は減りますが、膝、股関節、腰の負担は増えてしまいます。
ミッドカット、ハイカットのシューズを履く場合は、足首がある程度は自由に動かせるように紐で調節することが重要になってきます。
ミッドカットのシューズは、比較的足首が自由に動かすことが可能で、なおかつ安定性もあるので、ハイキング初心者や足首の弱い人に適しているといえます。
ハイポモビリティーとハイパーモビリティー
動きが制限された関節は「ハイポモビリティー」と表現されます。
動きを制限する要因が痛みの場合もあります。(痛い関節を動かさずに、かばった経験は誰にでもあるはずです。)
逆に、通常より動きが増大した関節は「ハイパーモビリティー」と表現されます。
動きの悪くなった関節を補うために、過剰に動かされることです。
上の図では、動きが制限された足首は「ハイポモビリティー」になります。
その分、余計に動く股関節は「ハイパーモビリティー」になります。
足首、足の指の筋肉を鍛えよう!
ローカットで凸凹道、小石の多い道、岩場を歩くと、足首がよく動くので、それだけ足首を捻る危険性が高くなります。
大切なことは、普段から足首、足の指の筋肉を習慣的に鍛えておくことです。
ウォーキング、ハイキング、登山をされる方は大勢おられますが、普段から、自分の足首、足の指を鍛え、ケアしているひとは極めて少数です。
快適に歩くためには、そのために必要な筋肉、関節をメンテナンスするように心がけましょう。
ハイポモビリティー&ハイパーモビリティーは、あらゆる動作において、関節の動きから身体の状態を把握するために非常に大切な視点となるので、このブログでも今後継続して詳しく解説していきます。

次回は、ウォーカー、ランナー、登山家、ハイカー必見!
足首を強くする方法、足首の解剖学的な動きを、わかりやすく解説したいと思います。
…to be continued(続く…)