不快な肩こり、首こりを引き起こす原因の一つに、肩甲挙筋(けんこうきょきん)という筋肉のコリがあります。
肩甲挙筋について理解を深めるとともに、肩甲挙筋のコリを解消する方法を解説します!
目次
肩甲挙筋のはたらき
肩甲挙筋とは、肩甲骨の内側上端と、首の骨をむすんでいる筋肉です。
肩甲骨を上に引き上げる働き、つまり肩をすぼめるときに強く収縮する筋肉で、猫背、下を向いて長時間過ごすといった姿勢をとると、疲労が蓄積して、肩甲挙筋はコリ固まってしまいます。
肩甲挙筋のコリは、筋肉の位置と働きから、あきらかに肩こり、首こりに深く関係しています。
肩甲挙筋は、背中の上部を覆っている「僧帽筋:そうぼうきん」という大きな菱形の筋肉の下、つまり深層にあるインナーマッスルです。
ですから皮膚の上から直接、肩甲挙筋をほぐすことはできません。つねに僧帽筋を押して間接的にしかほぐすことができません。
直接ほぐすことはできないですが、その位置をしっかりと理解して、僧帽筋を介してしっかりとマッサージできるようにならなければなりません。
肩甲挙筋が引き起こす不快な症状
肩甲挙筋がコリ固まってしまうと、上のイラストにあるような部分に、非常に不快なコリ感や痛みを感じるようになります。
勿論、肩甲挙筋は僧帽筋の深層にあるわけですから、この部分の不快感は、肩甲挙筋だけでなく、僧帽筋も関与しています。
簡単な肩甲挙筋のセルフマッサージ
肩甲挙筋がある部分には手が届くので、セルフマッサージはとても簡単です。
指でグッと押してもよいし、ボールペンで押してもかまいません。
マッサージする場合は、強く揉みほぐそうとしてはいけません。あくまでも「痛キモチいい」感じで、約5秒間、ジワっと押すとよいでしょう。
肩甲挙筋の位置を理解できていると、首に付着している部分を正確に押すこともできます。ただし、首には非常に多くのリンパ節、大切な神経や血管が集まっているので、あくまでも「痛キモチいい」感じで、ジワっと押してみましょう。
肩甲挙筋の逆ストレッチを実践しよう!
2月に刊行された著書第4弾「7秒逆ストレッチ」では、この肩甲挙筋の状態を劇的に改善するエクササイズを紹介しています。
コリ固まった筋肉はいきなり伸ばしてはいけません。何故なら筋肉は無理矢理伸ばされると、逆に損傷してしまう可能性もあるからです。
少しコリを感じたくらいならば、通常のストレッチでも問題はありませんが、首の奥の方の筋肉が痛むほどコリを感じたなら、上の写真のようにストレッチして一気に筋肉を伸ばすのはおススメできません。
逆ストレッチでは、コリ固まった肩甲挙筋を先ずは思いっきり収縮させて、内部に鬱滞した血液やリンパ液を絞りだし、その後に脱力して、新鮮な血液やリンパ液を送りこむことです。(これが逆ストレッチ理論ですね。)
肩甲挙筋の位置をしっかりと理解し、上の写真のように、肩甲挙筋をギュッと短縮させる逆ストレッチを実践してみてください。ただし、首を反らせて横に傾けたときに、腕などにビリっとシビレがでる方は、頸椎の変形が深刻化している可能性もあるので、必ず病院で詳しく診察してもらうことをおススメします。
逆ストレッチの理論や正しい実践方法は、PHP研究所さんから出版されている「7秒逆ストレッチ」で詳しく解説しておりますので、よろしくお願いします。
今後は逆ストレッチの動画もどんどんと公開していきます!