今回は、ランニング、ウォーキング、ジョギング(以下、ランニングで統一)などの歩行、走行運動が、美と健康のためには非常に有効であるというお話と、その始め方についてです!
目次
「歩く」「走る」は基本中の基本動作
人間を含むあらゆる動物にとって、「歩く」「走る」という動作は基本中の基本です。
一か所にとどまって根を張る植物と異なり、動物は移動しなければ食物を獲得できません。
つまり移動能力は、動物が本能的に備えている重要な能力であり、それを維持し向上することは非常に大切なことなのです。
それにランニングは、特別な器具や場所を必要とせず、やろうと思えば普段着のまま、いつでも、どこでも、簡単に始めることができる手軽なスポーツです。
ランニングのメリットとは?
ランニング(ジョギングやウォーキングを含む)には次のようなメリットがあります。
全身の耐久性が向上し疲れにくくなる
ランニングは、身体中の筋肉を動員する全身運動でもあるため、全身に負荷が加わります。
そのため身体の耐久性が向上し、疲れにくくなります。
体脂肪燃焼効果
身体がエネルギーを作り出す経路は、酸素を利用しない無酸素系と、酸素と脂肪を利用する有酸素系があります。
短距離ダッシュ以外の歩行&走行運動は、呼吸により取り込んだ酸素を利用してエネルギーを作り出す有酸素運動です。
そのため、脂肪燃焼効果が期待できます。
ただし実際には、ランニングだけではそれほど体脂肪燃焼効果は高くなく、筋トレとの併用や食事方法などの他の要素も考慮する必要があります。(次回解説します)
持久力の向上
有酸素運動とは、呼吸により酸素を取り込んでエネルギーを作り出す運動です。
有酸素運動の代表であるランニングでは、身体に酸素を取り込む能力を高めることができます。
その結果、全身持久力が高まります。
骨が強くなる
踏み出した足が着地した瞬間には、身体に地面からの衝撃が加わります。
この衝撃は、骨の縦軸方向に加わるため、骨への刺激となります。その結果、骨密度が高まり、強い骨格が形成されていきます。
これに対してスイミングは、同じ全身運動であっても、骨への刺激が少ないため、骨を強くする効果はあまり期待できません。
血行がよくなり、ムクミが解消される
ある程度の負荷で、身体全体を動かし続けるランニングでは、全身の血行が促進され、ムクミが解消します。
筋トレなどの無酸素運動と、ジョギングなどの有酸素運動では、運動後の疲労感に明らかに違いがあります。
短時間で全力を出し切る筋トレなどの無酸素運動では、運動後に、何となくからだの奥底に疲労が澱んだ感じがします。
反対に、有酸素運動では、運動後に、澱んだ感じの疲労感があまり残りません。
勿論、負荷の大きい長時間におよぶ有酸素運動では、相当の疲労感が残りますが、明らかに疲労感に違いがあります。
これは、有酸素運動が、全身の血流と血行を促進してくれるからだと思われます。
ランニングのデメリットとは?
ランニングのデメリットには次のようなものがあります。
時間がかかる
酸素を取り込んんで脂肪を燃焼する有酸素運動では、その効果が出始めるまでに、ある程度の時間が必要となります。
5分程度のランニングでも、上記のようなメリットを享受することはできますが、やはり最低でも15分~30分程度は走り続ける必要があります。
花粉症が悪化する
屋外でランニングをする場合、かなりホコリを吸い込みます。
特に花粉症の季節は、ランニングにより大量の花粉を吸い込む危険性があります。
屋外でランニングする場合は、マスクやメガネの着用が不可欠となります。
トレッドミルやランニングマシーンを使って屋内で手軽にランニングできればよいのですが…。
関節痛が生じる
地面からの衝撃がダイレクトに骨格に伝わるため、関節を痛める危険性があります。
しかしこのデメリットは、適切な負荷設定を行い、走り過ぎに注意して、休養と回復を心がければ、ほぼ避けることができます。
ランニングはペースが重要
ランニング(ジョギング、ウォーキング)は、ダラダラと続けるとほとんど効果がありません。
つまり負荷設定が非常に重要になるということです。
心拍数をある程度まで上昇させたままのペースで行わなければ、適切な効果を得ることができません。
楽なペースのランニングから効果を得るためには、相当の時間がかかります。
よく、歩いているのか喋っているのかわからないようなペースでウォーキングをしている御婦人たちを見かけることがありますが、脂肪はまったく燃焼していないと思われます。
その逆に、速すぎるペースは、疲れたらペースを落とせばよいだけです。
走ったり歩いたりといった感じでペースに緩急をつけることで、一定の心拍数を維持することができます。
このランニングから最大の効果を得るためのペース設定の基本となるのが心拍数です。
心拍数計測の重要性
通常、運動して身体に負荷がかかると、心拍数が上昇します。
身体中の細胞に酸素とエネルギーを供給しなければならないからです。
運動しても心拍数が上昇しないということは、「負荷が軽すぎる」「身体に何らかの病気がある」「強靭な心肺機能が備わっている」のいずれかです。
普通は、適切な負荷で運動を続けると、必ず心拍数は上昇します。
自分のランニングの負荷(ペース)が適切かどうかは、この心拍数を計測することで、大まかに把握することができるのです。
心拍数設定方法
ランニングするときは、最大心拍数を利用して負荷強度を設定しましょう。
最大心拍数とは、心臓が1分間に収縮できる最大回数で、この最大心拍数を基準にしてランニング中に維持する心拍数を決めましょう。
最大心拍数は簡易的に「220-年齢」という式によって求めることができます。
つまり、52歳の場合は、最大心拍数は220-52=168となります。
最大心拍数を厳密に計測するためには、専門の施設で、専門家による計測が必要となります。
心肺機能には個人差もありますから、正確な自分の最大心拍数を把握することは困難です。
そのため、現実的な問題として220-年齢を用いるのがよいと思います。
ランニングから効果を得るためには、最大心拍数の70~80%の心拍数を維持して走り続ける必要があります。
つまり52歳の場合は、168×0.7=118 168×0.8=134 となります。概ね心拍数は130前後を維持し続けるようにするということです。
心拍数計測方法
心拍数は、手首の橈骨動脈で計測するのが一般てきですが、ランニング中にいちいち手首で計測するのは困難です。
ですから可能な限り、心拍数計測機能を備えたスマートウォッチの活用をオススメします。
最近のスマートウォッチは、非常に優れていますから、手首で簡単に心拍数を計測することが可能です。
次回は現在、私が週1回行っているジョギングを例に、ランニングの効果を検討したいと思います。