私は2015年5月以来、下半身の筋トレをしていません。
しかし下半身のトレーニングは、身体を鍛えるうえで不可欠だと再認識したので、スクワットを中心とした下半身のトレーニングを再開します。
目次
4年間、下半身のトレーニングを中止していた理由
私は2015年5月まで「三分割法」の筋トレを実践していました。
Push系筋群(胸・肩・三頭筋)を鍛える日、Pull系筋群(背中・二頭筋・前腕)を鍛える日、脚を鍛える日です。
当時は一週間に三日の筋トレに加えて、トライアスロン用に有酸素系トレーニング(スイミング、ランニング、ロードバイク)も実践していました。
筋トレを週三日して、さらにトライアスロンのトレーニングをすると、どうしてもオーバーワークになってしまいます。
そこで「ランニングとロードバイクで下半身は鍛えられている」と考えて、脚の筋トレを中止しました。
ランニングやロードバイクでは下半身は強くならない
ランニング、ウォーキング、ロードバイクといったトレーニングでは、下半身が主に動かされます。
そのため「下半身がしっかり鍛えられている」と考えがちです。
確かにランニングやロードバイクによって、ある程度は足腰は強くなります。
しかし、これらのトレーニングは、どちらかと言えば持久力を向上させることが目的です。
決して足腰が“格段に”強くなることはありません。
特にランニングでは、股関節や膝関節は思っている以上にあまり動いていません。
運動中の関節の可動域が非常に狭いのです。(ロードバイクは、股関節も膝関節も大きな動きをします。)
しかも下半身の筋肉にとっては、低~中程度の負荷しかかからないので、下半身の筋力が向上することはありません。
筋力を高めるためには、高強度の負荷をかけることが不可欠です。
高強度の負荷をかけるためには、筋トレ、階段ダッシュ、ヒルクライムダッシュのような爆発的に筋力を発揮するトレーニングをしなければなりません。
強い下半身が重要な理由
私達は日常生活で、床から立ち上がったり、荷物を持ったまま階段を登ったり、深くしゃがみ込んで作業したりすることが頻繁にあります。
実はいくらランニングやロードバイクのトレーニングをしていても、こういった日常生活動作のパフォーマンスはあまり向上しません。
「持久力はあるのに、生活動作を快適にこなすための筋力は備わってない」ということになります。
何故なら、ランニングやロードバイクをしても、股関節、膝関節、足関節、足の指関節は大きく動かないからです。
日常生活動作やスポーツにおけるパフォーマンスを高めるためには、ランニングやロードバイクだけでなく、下半身の関節を強化するエクササイズが不可欠となります。
全身の約70%の筋肉は下半身にある
全身の筋肉の約70%は下半身にあると言われています。
特に臀部と大腿の筋肉はかなりの大きさです。
つまり下半身の筋トレをしないということは、全身の約70%の筋肉の筋トレをしないということになります。
身体の全体的なバランスや、全身を使った動作パフォーマンスを高めるためには、やはり下半身の筋トレは不可欠です。
しかも大きな筋肉を鍛えることになりますから、より多くのエネルギーも消費されるというわけです。
身体は脚から衰えるは本当か?
よく「身体は脚から衰える」と言われます。歳をとって最初に感じるのが“足腰の衰え”というわけです。
しかしこれは“脚の筋肉だけ”が衰えたわけではありません。
全身の筋肉も同じように衰えています。
ただ、全身の筋肉の約70%が下半身になるため、筋力の衰えが目立つだけですね。
ランニングやロードバイクで下半身が壊れる?
当ブログの読者の皆さんは、ランニングやロードバイクのトレーニングを最低でも30分は行うでしょう。
ロードバイクなら数時間におよぶこともあるはずです。
時間が長くなればなるほど、運動の強度はどうしても低くなります。
そして下半身の筋肉と関節は、延々と反復動作を繰り返すことになります。股関節も前後にしか動かしません。
延々と繰り返される反復動作は、筋肉、腱、靭帯、関節に大きな疲労を蓄積させます。
充分な休養と、筋肉や関節のメンテナンスを怠ると、ケガをする可能性が高くなります。(筋トレでも、負荷とやり方を間違えるとケガをしますが…)
下半身強化に最適なスクワット
下半身を最も効率的に鍛えることができるのはスクワットです。
スクワットが万能というわけではありませんが、最初に実践するエクササイズとしてスクワットを取り上げます。
スクワットをする目的を明確にしよう
まずはあなたがスクワットをする目的を明確にしましょう。
その目的に応じて回数、負荷(重量)を適切に設定しなければ、目的を達成することはできません。
レップ、RM、セット間インターバルといった専門用語を、先ずはコチラで完全理解してください!→【完全理解すべき基本的な「筋トレ用語集」】
RM法で“回数と負荷”を決めよう
スクワットをするときに大切なのが、回数と負荷です。
バーベルで鍛える時は「何kgで何回するか」、自重スクワットで鍛える時は「何回するか」が重要です。
自分の目的に応じた回数と負荷を割り出す方法が「RM法」です。
RMとは「レペティション・マキシマム:repetition maximum」を略したものです。
「ある重量を、何回繰り返して持ち上げることができるか」=「最大反復回数」によって、運動強度を決める方法です。
1回しか持ち上げられない重量を1RMと表します。
RM法では、1RMで最大筋力を発揮できていると仮定します。
どんなに頑張っても5回しか持ち上げられない重量は5RMと表します。
下の表は、それぞれの最大反復回数が、最大筋力の何%を発揮できているかをまとめたものです。
表は大まかな目安として参考にしてください。
その時の体調や、フォームの違いによって回数も大きく変動します。
自重スクワットだけで確認する方法
バーベルなどの機材がない場合は、自重スクワットを何回できるか限界までやってみましょう。
気合を入れて、「脚が焼けるように痛み、引き攣りそうになる一歩手前まで」やることで、最大反復回数がわかります。
今までスクワットをしたことがない人は、この確認方法だけで、数日は下半身に激しい筋肉痛が残るはずです。
最大反復回数の何%でトレーニングするかを、自分の目的に合わせて繰り返せばよいでしょう。
スタイルを良くする、ダイエット、筋持久力向上が目的の場合
20RM以上/2~3セット/週2~3回
負荷は、自重または片手にペットボトル(500ml~2L)を持つ
回数は最低でも20回以上は行いましょう。
セット間休憩:2~3分。
セットが進行するに従って回数を減らしてもOKですが、最低でも20回以上は繰り返しましょう。
生活動作、スポーツ競技のパフォーマンス向上が目的
15RM~25RM/3~4セット/週1~2回
セット間休憩:2~3分
セットが進行するに従って回数を減らしてもOKですが、最低でも15回以上は繰り返しましょう。
下肢の筋力向上、脚を太く逞しくすることが目的
RM~12RM/3~4セット/週1回
セット間休憩:完全に回復するまで3~4分
セットが進行するに従って回数を減らしてもOKですが、最低でも6回は繰り返しましょう。
集中力、神経コントロール向上が目的
1RM~4RM/1~2セット/週1回
私も42歳の頃までは、1RM/120kgのスクワットをしていた時期があります。
しかし腰や膝を痛めるリスクがあるので、高重量低回数のスクワットはまったくする予定はありません。
当ブログの読者の皆さんにも、高重量低回数のスクワットはオススメしません。
スクワットする時の注意点
スクワットは正しいフォームでしなければ簡単に腰や膝を痛めてしまいます。
以下の注意点をしっかりと守りましょう。
・常に腰を反らし、上半身を立て、決して腰を曲げないこと。
・バーベルを担ぐ場合は、必ずベルトを巻くこと
・肩幅より少し広い程度の足幅 ・膝関節と足関節の方向は必ず一致させる。
・全身運動なので、疲労に注意すること
・深くしゃがみ込まない。太ももが地面と並行になる程度まで。腰や膝に不安がある場合は、少し腰を落とす程度のハーフスクワットで十分
・動作はゆっくりと。
女性にこそ、やってもらいたいスクワット
スクワットをしたがらない女性がいます。
「スクワットすると下半身に筋肉がついて脚が太くなるから…」というのが理由です。
しかし安心してください。
自重スクワット程度の負荷で週2~3回程度のエクササイズでは、決して脚の筋肉は太くなりません。
脚が引き締まっても、下半身太りになるほど脚が太くなることなどありません。
今まで少しでも筋トレで筋肉を大きくした経験がある人なら理解できるはずです。
筋肉を大きくするためには「どれほど激しく強度の高い負荷」を筋肉にかけなければならかいかということを…。
高重量、低回数のスクワットをしなければ、脚の筋肉は決して太くはなりません。
スクワット以外に取り入れるべき下半身のエクササイズ
スクワットは主に下半身の筋肉を鍛えるエクササイズですが、体幹も含めた全身の筋肉に負荷がかかります。
全身を効率的に鍛えることができる万能エクササイズといえるでしょう。
しかしスクワットは股関節の屈曲伸展(太ももを前後に動かす)運動です。
股関節は肩関節と同じように、前後左右だけでなく、捻じることもできる、球関節です。
脚を横に挙げる(股関節を外転させる)ようなエクササイズも必須です。
前後の動きだけでなく、左右と捻じり動作のあるエクササイズも行うことで、より頑健で強固な下半身に鍛え上げることができます。
次回は、スクワット以外の効果的な下半身エクササイズを紹介します。