新型コロナウイルス感染により私達の生活、社会は激変しました。
しかも今までの災害とは異なり、この激変には終わりが見えません。
このような先の見えない過酷な状況をタフに生き抜くためのメンタルのつくり方を考えてみました。
目次
誤った楽観主義が失望を招く
誤った楽観主義とは根拠の無い希望を持つことです。
「夏までには状況は良くなっているだろう…。」
「誰かが助けてくれるだろう…。」
「来年には事態は改善されているだろう…。」
こういった根拠の無い希望は、単なる自分に都合の良い思い込みに過ぎません。
私達はどうしても自分に都合の良いように物事を解釈する傾向にあります。
このような誤った楽観主義は非常に危険な兆候です。
何故なら、誤った楽観主義を根拠とする希望は、簡単に失望に変わるからです。
夏までには状況が改善すると希望を抱いていても、状況が改善されなければ失望します。
誰かが助けてくれるだろうと希望を抱いていても、誰も助けてくれなければ失望します。
来年には事態は改善されるだろうと希望を抱いていても、事態が改善しなければ失望するのです。
繰り返し失望し続けると、やがては心が病んできます。
徹底的な現実主義者であれ!
現在の新型コロナウイルス禍のように、世の中には自分の力では変えることができないことが溢れています。
自分にとって都合の良いことばかりではありません。
否、むしろ自分に都合の悪いこと、自分の思い通りにいかないことのほうが遥かに多いのです。
私達は皆、弱いものですから、そのような厳しい現実を直視するのを避けようとします。
厳しい現実から逃避し、目を逸らせようとします。
そして、誤った楽観主義に陥ってしまうのです。
大切なことは、厳しい現実から目を逸らさないタフネスさを持つことです。
現実から逃げてばかりいては何も始まりません。
先ずは、厳しい現実を直視し、それに向き合い、その中で自分ができることを淡々とこなしていくことが大切です。
しかし当然ながら、現実主義だけでは、身も心も磨り減り、いずれは心を病むことになります。
現実主義に徹しながら、希望を持ち続ける
「厳しい現実を受け入れつつも、誤った楽観主義に陥ることなく希望を持ち続ける」
この一見、相反する心の持ち方が、「ストックデールの逆説」と呼ばれるものです。参考文献→【Stockdale Paradox: Why confronting reality is vital to success】
「自分が生き延びられたのは、揺るがぬ将来への希望を、確固たる現実主義と組み合わせることができた能力のおかげです。」
これはベトナム戦争で7年間の捕虜生活を経験した元アメリカ兵のジェームズ・ストックデール氏の言葉です。
「クリスマスには解放されるだろう」「来年には解放されるだろう」という根拠の無い希望は、それが叶わなかったとき、大きな失望となります。
いつ開放されるかわからない過酷な捕虜生活で、このような誤った楽観主義に陥り、命を落とした捕虜が大勢いたといわれています。
将来に目を向け、希望を持つことはとても重要です。
しかし多くの人はここで、誤った楽観主義に陥ってしまいます。
可能性は低くても、現状が悲惨でも、誤った楽観主義に陥らずに、自分を鼓舞して前へ進み続けるために必要なもの…。
これこそが、信念です。
状況は必ず良くなると信じる気持ちがなければなりません。
その信念を誤った楽観主義と混同しないようにしましょう。
目の前のやるべきことをやり続ける
厳しい現実を受け入れつつ、将来への希望を持ち続けるにはどうすればよいのでしょうか?
見通しが立たない厳しい状況においても、自分を鼓舞して前へ進み続けるにはどうすればよいのでしょうか?
自分の力ではどうすることもできない状況にあっても、希望を持ち続けるにはどうすればよいのでしょうか?
それは「自分のやるべきことをやり続ける」ことです。
自分の目的を達成するために立てた幾つもの目標に向かって、やるべきことをコツコツとやり続けることです。
誤った楽観主義に陥ることなく、信念をもって、一歩一歩進み続ける。
これこそが、危機を乗り越える方法であると言えるでしょう。
著書第三弾には、メンタルコンディショニングについての節もありますので、是非、ご一読を!
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