運動するなら血圧について知っておこう!

運動と血圧の関係 アスリート 血圧管理

先日、灘崎総合公園で8.8㎞のナイトランニングをした後のことです

施設内に自動血圧計であったので、走った後に血圧を測定してみました

その時の値は、血圧=127/91、脈拍106

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高血圧という訳ではありませんが、下の値が「91」と少し高めです

血圧、呼吸数、心拍数、体温、意識レベルの五つは「バイタルサイン(生命兆候)」と呼ばれ、身体の状態を表す数値です

自分のバイタルサインを理解できるようになると、身体の状態を客観的に把握することができるので安全に運動することができます

バイタルサインの一つ「血圧」は、高ければ「高血圧」、低ければ「低血圧」です

高血圧症は生活習慣病の一つで、身体にとっては悪い状態なのは誰もが知っていることです

しかし何故、高血圧は身体に悪いのでしょうか?

そもそも血圧とはいったい何なのでしょうか?

今回は心臓や血管の状態を知ることができる「血圧」について勉強したいと思います

目次

 そもそも血圧って何?

血圧とは、心臓が収縮して血液を送り出す時に、血管にかかる圧力のことです

つまり血液が血管の壁を押す力というわけですね

「127/91」のように二つの数値で表され、「127」が上の血圧、「91」が下の血圧です

上の血圧は正しくは「収縮期血圧=最大血圧」、下の血圧は正しくは「拡張期血圧=最低血圧」といいます

先ずは「上の血圧」と「下の血圧」とは何なのかを理解しなければなりません

上の血圧 = 収縮期血圧

心臓が一回収縮すると左心室と呼ばれる部屋から血液が一気に動脈へと送り出されます

一気に送り出された血液によって動脈の壁は内側から押し広げられます

動脈を押し広げる力の最大値が「上の血圧」、つまり心臓が収縮した時の圧力である「収縮期血圧」です

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下の血圧 = 拡張期血圧

心臓は収縮して血液を送り出した後、血液を溜めるために拡張します

心臓の拡張期には、心臓から動脈へは血液は送り出されません

にもかかわらず身体の隅々にまで血液が流れ続けることができるのは、何故でしょうか?

心臓から血液が送り出されていない拡張期の間、それまで押し広げられていた動脈は元の太さに戻ろうとします

この力が原動力となっており血液は末梢へと絶えることなく送りだされます

この時に血管の内側にかかる圧力が「下の血圧」です

動脈が元の太さに戻ろうとする力が「下の血圧」、つまり「拡張期血圧」です

血圧は「心拍出量」と「血管抵抗」によって決まる

血圧は、心臓から送り出される血液量(心拍出量)と、血管の硬さ(血管抵抗)によって決まります

心拍出量が多いということは、勢いよく心臓から血液が送り出されるということなので、血圧は高くなります

血管抵抗が大きいということは、血管が硬いということです

心臓からドッと血液が拍出された時、血管が柔らかければクッションのように大きく拡がります

柔らかい血管は少ない力(圧力)で広げることができるので、結果として収縮期血圧は上昇しません

しかし血管が硬ければ固い壁を押し広げるようなものですから、大きな力(血圧)が必要になります

結果として収縮期血圧は上昇するというわけです

脈圧の意味を完全理解しよう!

上の血圧(=収縮期血圧)と下の血圧(=拡張期血圧)の差を脈圧といいます

私の血圧の値「127/91」の脈圧は「36」となります

一般的には「大きい脈圧は動脈が硬い」と捉えることができます

心臓が収縮すると一気に血液が流れだし、動脈を押し広げようとする力、つまり収縮期血圧が動脈の壁には加わります

柔らかい動脈は大きく拡がることができるので、この時の血圧(収縮期血圧)は小さくなります

逆に硬い動脈は大きく拡がることができないので、動脈の壁に加わる圧は大きくなります

さて、収縮期血圧によって広げられた血管は、心臓が拡張する時に元に戻ろうとして縮みます

(この縮む時に血管の壁に加わる力が拡張期血圧でしたね)

柔らかい血管は大きく拡がっているので、縮む時も強く収縮します

動脈の壁に加わる圧力は高くなり、結果として拡張期血圧が上昇します

逆に硬い動脈はあまり拡がっていないので、縮む時も僅かしか収縮しません

結果として拡張期血圧は上昇しないというわけです

脈圧が小さいということは、血管が大きく拡張し、強く収縮できているといえます

つまり柔らかい動脈をしているというわけですね

まとめ

・血圧とは、心臓が収縮して血液を送り出す時に、血管にかかる圧力のことです

・血圧は上の血圧(収縮期血圧)と下の血圧(拡張期血圧)の値で表される

・収縮期血圧は、心臓から血液が一気に動脈へと送り出された時に動脈の壁にかかる最大の圧力

・拡張期血圧は、心臓から血液が送りだされていない時に動脈の壁にかかる圧力

・拡張期血圧は、最大血圧によって押し広げられた動脈が縮む力と捉えることもできる

・血圧は「心拍出量」と「血管抵抗」によって決まる

・心拍出量とは、心臓が一回収縮した時に送り出される血液量

・血管抵抗とは、心臓から押し出された血液によって動脈がどれだけ拡がるかを表すものでもある

・心拍出量が多いと、最大血圧は高くなる

・血管抵抗が高い、つまり動脈が硬いと最大血圧は高くなる

・動脈が硬いと収縮力も弱いため、最低血圧は低くなる

・収縮期血圧と拡張期血圧の差を脈圧という

・脈圧の数値が小さいということは、動脈が大きく拡がり、強く縮んでいると捉えることができる

・つまり脈圧の数値が小さいということは、動脈が柔らかいということである

次回は運動する時に、血圧がどのように変化するか、高血圧や低血圧の意味について考察したいと思います

…to be continued(続く…)

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