猫背を治す10秒簡単ストレッチ

猫背 ストレッチ

こんにちは。理学療法士の石部伸之です。

今回は「猫背を治す簡単10秒ストレッチ」についてお伝えしたいと思います。

目次

猫背とは?

猫背 ストレッチ 効果

猫背とは、肩が巻き込んで背中が丸くなり、顎が突き出た姿勢です。

人間の背骨は緩やかなS字カーブを描くように彎曲しています。

猫背 ストレッチ 効果
背骨のしくみと動きがわかる本(秀和システム:石部伸之著)

頚椎の前弯、胸椎の後彎、腰椎の前弯、という生理的なカーブがあります。

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猫背は、胸椎の後弯が通常よりも大きく曲がったもので、円背(えんぱい)ともよばれます。

猫背の何が悪いのか?

人の背骨は、S字に弯曲することによって、クッションの役割を果たしています。

このクッションがあるおかげで、ジャンプしたり、走ったりしたときに、重たい頭部への衝撃が吸収できるわけですね。

猫背になると、本来は背骨の真上にあるはずの頭部が、背骨より前方に位置します。

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そのため頭部を支える「僧帽筋」「脊柱起立筋群」といった筋肉の負担が増えて、慢性的に緊張し、肩こり、首こりになってしまうというわけです。

さらに、猫背の姿勢は「自信の無さ」「ガッカリしたような印象」を醸し出すため、好ましくない印象を他人に与えてしまいます。

正しい姿勢、シャキッとした姿勢は、自信やヤル気の表れでもあるので、やはり猫背は改善したほうが無難ですね。

何故、猫背になるのか?

猫背になる理由の一つは「猫背」という姿勢が楽だからです。

背中の力を抜いて、ダラッと緊張を緩めると確かに楽ですよね。

反対に、胸を張ってシャキッとした姿勢を保つには、背中の筋力が必要なため、疲れるというわけです。

もう一つの理由は「生活動作の影響」です。

多くの生活動作では、手のひらが下に向いた状態で行われます。

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「パソコン操作」「字を書く」「料理をする」…。

どの動作も常に手のひらが下に向いています。

手のひらを下に向けると腕が内旋します。

腕が内旋すると肩が巻き込むため、どうしても猫背になりやすいのです。

私達は普段、手のひらを上に向けて「胸を張る」ことをあまりしません。

その結果、胸の筋肉、腕の内側の筋肉が短縮し固くなる傾向にあります。

猫背を改善する方法とは?

猫背を改善するためには「①身体の前面を筋肉のストレッチ」「②身体の後ろの筋肉を鍛える」「③生活動作の改善」が必要です。

身体の前面の筋肉をストレッチ

手のひらを下に向けた状態では、肩が巻き込んでしまうため、「胸の筋肉」「肘を曲げる筋肉」が短縮し固くなります。

「胸の筋肉…大胸筋、小胸筋」「肘を曲げる筋肉…上腕二頭筋、上腕筋」

これらの筋肉を伸ばすストレッチをすればよいのです。

これらの筋肉を伸ばす代表的なストレッチが「手のひらを上に向けて肘を伸ばし、その腕を後ろを引く」ことで胸の筋肉を伸ばすストレッチです。

このストレッチでも胸や腕の筋肉を伸ばすことはできますが、より効果的な方法を紹介します。

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それは「腕を後方の斜め上に引く」ことです。

胸の筋肉(大胸筋・小胸筋)の筋繊維の多くは、胸から肩にかけてやや斜めに付着しています。

真後ろに引いてもストレッチできますが、斜め後方に引いたほうが、より効果的にストレッチできます。

腕を後ろの引くときは手のひらを上にすることで、より楽に引くことができます。

身体の後ろの筋肉を鍛える

上記のストレッチをすると、身体の後ろの筋肉がしっかりと収縮します。

片腕づつではなく、両腕を同時に後ろに引いていましょう。

背中の筋肉をしっかりと収縮させることができるので効率的に筋肉を鍛えることができます。

生活動作の改善

猫背 ストレッチ

どんなにストレッチをしても、毎日何時間も猫背の姿勢で過ごせば、筋肉はまたすぐに短縮し固くなります。

大切なことは、できるだけ頻繁に(30分に一度程度)は上記のストレッチを行うことです。

猫背の原因はひとつではない

今回紹介したストレッチを習慣づければ、猫背はかなり改善されます。

しかし残念なことに、猫背の原因は一つではありません。

身体の前の筋肉が固いと、猫背になりやすいのですが、その他にも原因があるのです。

ですから「○○だけすれば猫背が改善する」ことは決してありません。

複数の原因をトータルで調整し完全していかなければならないのです。

次回は、猫背を引き起こす原因の一つ「でっ尻」姿勢の改善について考えてみたいと思います。

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